令和5年度 第3回定例会ニュース


4月22日 愛鷹連峰:黒岳、越前岳、呼子岳  加藤

■ 自宅5:10=5:40須山山神社P6:00…6:25愛鷹荘…6:50黒岳…8:10富士見台…8:30越前岳8:40…9:20呼子岳…10:40大沢下山…10:50須山山神社P=11:20自宅

★やま神社駐車場を6:00に歩きはじめ杉林の中を進み富士見峠を右折し黒岳に6:50。曇っていて富士山は見えず。越前岳に向かって歩き8:30頂上。しばらく下り呼子岳9:20。大沢をくだり須山山神社駐車場に10:50に無事下山致しました。中腹までみつばつつじと山桜が咲いていて目を楽しませてもらいました。

4月22日・23日 滋賀県の山:飯道山、金勝アルプス 赤石、鈴木、安陪、他1人

★22日 飯道山。甲賀市にある山。新名神道の信楽インターで下りて信楽鉄道の紫香楽宮跡駅の駐車場から歩き始める。街中を過ぎ田んぼの拡がる道を山に向かって歩き飯道神社を過ぎると登山口がある。ここから登山道になるが30分ほどで山頂に出る。北の方角に展望があるが木立の中の山頂だった。登りと反対方向に下るとまた道路になりどんどん下る。やがて街を通って信楽鉄道の始発駅、貴生川駅に着いた。穏やかな晴天の中のハイキングだった。登山者には会わなかった。ひと駅分歩いたことになる。栗東市の「こんぜの里バンガロー村」に泊まった。(5時間強、12.4キロ、登り482m、下り605m)

23日 栗東市に金勝(こんぜ)アルプスと呼ばれる山並みがある。上桐生バス停近くの駐車場から登る。日曜日だったので駐車場は満車に近かった。7時ころ歩き始めた。登山道はしっかりしている。この山塊は全山花崗岩である。花崗岩のザレだが勾配が緩いので歩きやすい。重なった花崗岩の大きな岩を落ちている「落ケ滝」の立ち寄り、はじめのピーク鶏冠山を往復する。自然林の緑の中の山頂だった。この日は絶好のハイキング日和で前から後から大勢が登って来る。次の天狗岩は大きな丸く風化した花崗岩が重なっている。下って分岐点からこの山塊の主峰竜王山に登る。山頂に祠があり金勝寺奥の院のようだった。自然林に中だが北側が開けていて琵琶湖が望める。特徴のある形をした三上山が湖の手前にある。分岐に戻りここから下山になる。かなり急な道には花崗岩を加工した階段が作られていた。途中大岩に仏像を彫った狛坂磨崖仏がある。更に下り林道にでて新名神道路をくぐって駐車場に戻った。下山の後、山腹にある金勝寺(こんしょうじ)に寄った。この寺は平城京,紫香楽宮の鬼門に建てられ、大きな寺だったが戦国時代に火災で消失し江戸時代に再建されたとのことだが、小さな本堂だった。本堂の釈迦の木造は奈良時代に彫られたという。本堂脇の建物にある大きな軍荼利明王の木造も同時代に彫られともに重要文化財だという。花崗岩の明るい山と古刹を巡った一日だった。

「読み方」 金勝アルプス(こんぜアルプス)、金勝寺(こんしょうじ)、金勝村(こんぜむら)      (6時間40分、10.8キロ、673m)。(記 赤石)

★22日(土)飯道山

紫香楽宮跡に駐車して飯道山経由で貴生駅まで歩き信楽鉄道に乗車して紫香楽宮跡に戻ってくる周遊コース。地域全体が穏やかで奈良時代の面影が感じられた。

23日(日)金勝アルプス

若者が多く明るく花崗岩の岩が多い山、琵琶湖も見える。狛坂麿崖仏蛾(こまさかまがいぶつ)の岩に彫られた大きな仏さまが忘れられない。こんな時代もあったのかと思った。(記 鈴木)

★22日  紫香楽宮跡駅⇒飯道山⇒貴生川駅…設楽高原鉄道…紫香楽宮跡駅

今回は狸の陶器で有名な信楽(しがらき)(やき)の里(甲賀市)の山々を巡る旅である。まず、同じ呼称の()()楽宮(らきぐう)()(聖武天皇754年建立)を散策したが、紫香楽宮跡は、一か所にあるのではなく、色々な宮が田んぼの中にあったり、村外れにあったりして徒歩2時間位の所に点在していた。それらを総称して紫香楽宮跡としている。これらを繋げて飯道山の登山口に着いた。途中、立派な飯道山神社があり、お祈りして、山頂へ。杖の権現までは登山道であり、そこで一休み。そこから先は沢状の登山道(地図では軽車道と記載)を進んだ。陸橋を渡ると田園風景が広がっていた。日吉神社で一休みし、貴生川駅に行った。忍者が書かれている設楽高原鉄道に乗って、出発点の紫香楽宮跡駅に戻った。今日は、登山道より麓の道を歩いた方が長かった。

23日 一丈野駐車場⇒鶏冠山⇒天狗岩⇒竜王山⇒磨崖仏⇒一丈野駐車場…車…金勝寺

赤石さんがNHKで放映された(こん)(ぜ)アルプスを見て今回の山行を計画したという。NHKのおかげか、私が経験したことがない多くの人が登っていた。登り易さ、奇岩、景観などで多くの人に愛されているルートであることに納得した。途中でボランティアガイドの方に出会い、その方が、是非(こん)勝寺(しょうじ)に行くようにと薦めた。登山が終わり、駐車場に戻ってから車で金勝寺に向った。またここで別のボランティアガイドに会った。この方が、金勝寺境内を案内してくれた。参道が平城京の方向にあること、木造軍茶利明王立像が口八丁手八丁の由来の像であることなどを説明してくれた。山も良かったが、今回は歴史を感じながらの旅であった。(記 安陪)

4月24日 尾瀬:至仏山(山スキー)  苫米地、小野田

■前夜:静岡19:00=0:00鳩待峠P

4月24日鳩街峠P8:05…10:00オヤマ沢田代…10:40小至仏山…11:10至仏山12:15→滑降→14:00鳩待峠駐車場15:00=20:00静岡

前夜発で中部横断道と信越道、関越道をへて約5時間の夜間ドライブで鳩待峠へ。土曜日の午前0時にははや満車だったそうだが、半分ほど空いていてひと安心。朝6時まで車中泊で熟睡し、駐車料を徴収するおじさんの気配でようやく目を覚ました。外気温はマイナス5度、早く登っても雪がカチカチで滑れないだろうと出発を8時に延期することに。峠でシールを装着するがストッパーがどうしても固定できず、結局スキーを担ぐことに。明るい樹林の中を、登山者、BCスキーヤー、ボーダーなどと前後しながら登ってゆく。夜は満点の星空だったが、朝もまだ青空がのぞいていた。30分ほど歩いたところでアウターを脱ぎ体温調節。さらに1時間ほど登ると樹林が開け尾瀬ヶ原と燧ケ岳が見えてくる。ここからオヤマ沢田代までやや傾斜が強まり、締まった雪ではかえってアイゼン歩行が楽ちんだ。小至仏山は東がわをトラバースして至仏山とのコルへ。さらにトラバース気味に山頂までゆるい登りが続く。山頂に着いたころには高曇りになったが風が弱く寒さは感じない。山頂からは平ヶ岳へつづく稜線、越後三山、谷川連峰など、会越国境、上越国境の山々が残雪をまとって輝いている。10名前後の登山者がいたが、雪が緩むにつれてさらにBCスキーヤーやボーダーが続々と登ってくる。さて、いよいよ山頂からの滑降開始。いつもながら山での滑降前は緊張するものだが、ギャラリーが多い山頂からの滑降はまた格別だ。思い切って東面のバーンに飛び込むと、多くのシュプールで意外に荒れている。そこで南側の山のバーンに乗り換えてみるとシュプールが少なくとても快適に滑ることができた。アッという間に樹林帯まで降りてしまい、さらに樹林が濃くなっていくので、右へ右へと逃げて登路の尾根に達したところから北斜面のトラバースを続け、あわよくばそのまま鳩待峠まで滑りこもうと考えた。ひたすら斜滑降と横滑りを続けたが熊笹が出て横断できない沢が現れ、スキーを担いで登り返す。20mほど登ったところで沢におり後続の小野田さんを待つがなかなか現れない。スキーと荷を置いて登り返してみると、どうもそのまま尾根の上へ登っていったようだ。尾根に登れば往路に合流するので心配ない、沢の底にもどって一人でそのまま鳩待峠までトラバースを続けた。峠に着くと小野田さんから着信があり、やはり尾根上に登り返したとのこと。そのまま往路を峠まで滑り降りてもらい、めでたくゴールイン。出発時刻を遅らせた分下山も遅れたので温泉をあきらめてすぐ帰路に。上州や信州の山々のながめ、咲き誇る山桜や山藤などを楽しみながら約5時間のドライブで静岡へ帰着。ちょうど25時間のショートトリップだった。今回は初めて山レコを利用して他パーティーの記録を参考にさせていただいた。また小野田さんに写真を提供してもらって記録を山レコに公表してみた。興味のある方は4月24日のbechiraで検索してみてね。(記 苫米地)

★13:05沢の上スキー担ぐ13:10—登り返し—13:50 尾根赤布ルート14:05~14:20鳩待山荘前

23日 鳩待峠は満天の星、久しぶりに見る素晴らしい星空だった。気温は零下、とても寒い。車中泊だがもう春だからと薄いシュラフにしたので寒くて眠れなかった。赤布ルートは疎林で明るく、それ程急な所もないので気持ち良くシール登行ができた。1時間程で林を抜けると素晴らしい展望を見ながら歩ける。小至仏山は東側を巻く。遥か先を行く苫米地さんも見えて安心。頂上付近の雪が溶けた部分は立入禁止のロープ。雪上を回り道して頂上に出た。薄曇りだが青空も見え頂上からの展望は素晴らしかった。風も無く心地良い。滑り始めの斜面は時々固いシュプール跡に引っ掛かり足を取られそうになるので慎重に滑った。右手の斜面に移動すると滑らかで滑り易かった。広い雪原を滑るのは快感。他のスキーヤーもいない。登って来た道の方が下り易いからとトラバース気味に元の道の方に向かった。間もなく樹林に入り、数回少し登り返しがある度に私は時間がかかりその間に苫米地さんの姿を見失って不安になった。雪が途切れた沢でストップ。そこからスキーを担いで直登し元の道に出るとの事。歩き始めは一緒だったがすぐ苫米地さんと間が空き姿が見えなくなった。どんなに登っても姿がなく、雪質によって踏み跡がない部分もあり、どこかで沢に降りたのかと思って呼んでみたが返事は無い。ここは何の印もないのでかなり不安だ。また新しい踏み跡を見つけやはり上に進み尾根道で待っていてくれるだろうと、ジオグラフィカで現在地を確かめ元の道まで登り続けた。だが居ない。電話は通じなかった。多分機内モードにしてある。メッセージを送信しておいた。鳩待峠に戻ったのなら良いがいつも辛抱強く待っていてくれるので、どこか沢に降りて転び打ちどころが悪く動けないのではと思ったりして、鳩待峠に下るべきか戻って探すべきか思案にくれていた。10分位してから電話がありもう下山したと聞きホッとした。携帯電話があって本当に良かった。元の道は赤布も踏み跡、滑降跡も付いている疎林で登り返しも全然ないので問題なく滑り降りた。後で苫米地さんの足跡を見ると大分早く沢に下っていた。私は遅いので多分その前に姿を見失っていて全然気が付かなかったのだ。そこで大部お待たせしてしまったようで申し訳ない。不安な時間もあったが、初めて至仏山に登り気持ち良くスキーができて楽しかった。いつもながら足手まといの私をお誘い頂き本当に有難うございます。   (記 小野田)

5月1日~3日 北アルプス:五竜岳~唐松岳 高本

■5月1日:五竜スキー場⇒遠見尾根⇒五竜山荘

7:45五竜スキー場 テレキャビン乗車+++地蔵の頭発8:10…9:40小遠見山…11:30 西遠見山…13:15 白岳…13:30 五竜山荘着(幕営)

5月2日:五竜岳(往復)⇒縦走⇒唐松岳頂上山荘⇒唐松岳(往復)

6:20五竜山荘発…7:45 五竜岳 山頂…9:00 五竜山荘10:00…13:15 唐松岳頂上山荘15:00…15:30 唐松岳 山頂…16:00 唐松岳頂上山荘 帰着(幕営)

5月3日:唐松岳頂上山荘⇒八方尾根⇒八方スキー場

6:00 唐松岳頂上山荘発…8:30 八方スキー場 リフト乗り場 到着

★五竜スキー場の駐車場に停車し前泊。翌朝一番のテレキャビンに乗り込み、最上部まで移動。テレキャビン下車後、リフトに乗り換え、地蔵の頭の下まで移動した。雪は少なく、五竜スキー場も最上部の1コースのみ営業しているようだった。八方スキー場は既に今季の営業を終了しており、今年は例年になく雪が少ないと同じゴンドラに乗ったスキー客が話していた。地蔵の頭から先の遠見尾根は雪が切れることなく、続いていた。天気は快晴、気温も高く、登り始めるとすぐに汗が吹き出してきた。五竜岳に向かうのは、自分も含め3組だった。お互い先を交互に入れ替わりながら、尾根を進んでいった。雪はよく締まっており、アイゼンもよく効いた。尾根上はアップダウンも少なくよく見通しがきくので、五竜岳、唐松、鹿島槍まで一望できた。頂上の見えない樹林帯のなかをひたすら登ることがなかったので、ゴンドラに乗って楽ができた。西遠見山を過ぎると白岳まで突き上げる急な斜面となった。五竜岳山荘までの最短距離の沢を詰めるのではなく、白岳頂上を目指した。ここが一番きつかった。白岳頂上では、西から吹き上げる風がかなり強かった。天気予報では午後から天候が崩れる予報だった。五竜山荘ではかなりの強風が吹き抜けており、風を避けるため山荘東側のテントを張った。風が強く、しばらくするとあられ雪が降り始めた。いいタイミングでテントを張ることができた。時間はまだ早かったが、早々にテントにこもることになった。風、雪は一晩続き、時折雷が鳴った。雪はサラサラの粒のような雪だったが、テントは埋まってしまい夜中にも一度雪掻きをしなければならなかった。

 昨日の時点では、五竜岳への登山道は夏道のように土が見えていたが、翌朝には一面雪化粧に変わった。風もまだ強く吹いており、出発するかどうかかなり悩んだが、予定より1時間遅れで登り始めた。霧で五竜岳頂上は見えなかったが、夏道が判別でき、雪のある場所ではトレースは残っていたので迷うことはなかった。途中、霧が一瞬晴れ、頂上が見え、頂上に続くトレースも確認できた。これで行けると自信が出てきた。頂上下の斜面はダブルアックスで登った。頂上では何も見えなかった。五竜山荘に戻ると他の二組は既にテント撤収していた。強風のため、頂上には登らなかったようだ。こちらもテントを撤収していると空が晴れ、昨日のような快晴になってきた。白岳頂上からは唐松岳がはっきり見えた。もう遠見尾根を下って下山するつもりだったが、天候が回復したので計画通り唐松岳を目指した。五竜ー唐松の尾根にトレースはなかった。雪は多くなかったので、夏道が判別でき、大黒岳までの下りは快適だった。大黒岳を過ぎると岩場の登りになった。所々鎖があったが、体力をかなり消耗した。唐松頂上山荘にはへとへとになって到着した。時間的にはすぐに八方尾根を下らなければリフトの最終時間に間に合わない時刻だった。せっかくここまで来たので、山荘のテント場でもう一泊し、唐松岳に登ることにした。GWの登山客を迎えるため、山荘は営業をしていた。テント泊を申し込むと予約がないからと5000円を徴収された。いくらなんでも高すぎると思ったが、仕方なかった。ただテント場からの景色はその5000円を忘れるほど素晴らしかった。正面に剣岳、北に唐松岳、南に五竜岳を一望することができた。冷たいビールを飲みながら、時を忘れて景色を眺めていた。

 翌朝、早々にテントを撤収し、八方尾根を下山した。リフト、ゴンドラを3回乗り継ぎ、下山した。白馬村は田んぼに水が入り、タンポポが咲き、春真っ盛りだった。無料駐車場にデポしておいた自転車にのり、ザックを背負い、五竜スキー場まで移動した。軽快なサイクリングと言いたいところだったが、五竜スキー場への急坂は最後の核心だった。

5月3日 朝鮮岩・満観峰   安陪

★天気も良く、朝、急に歩きたくなった。もう一つの理由は、長年愛用している4シーズン用のスカルパ トレオレプロGTXの純正ビブラム交換がコロナの影響で1年位かかり、やっと戻ってきたのである。場違いと思いながらも履いてみたくなった。自宅から自転車で20分の所にある丸子井尻にデポし、登り始めた。このルートは、焼津側の花沢ルートに比較し人はあまり登っていない。満観峰頂上には多くの人がいた。

5月3日~4日 北アルプス:笠ヶ岳 苫米地、堀部

■前夜:静岡15:00=20:00新穂高温泉駐車場(車中泊)

3日:新穂高温泉駐車場6:00…7:45小池新道入口…9:10秩父沢出合…10:30シシウドが原…11:50大ノマ乗越…12:30テンバ(幕営)

4日:テンバ4:40…5:10大ノマ岳…5:35秩父平…7:05笠新道分岐…8:25笠ヶ岳山荘…8:50笠ヶ岳…10:30抜戸岳…11:40秩父平…12:15大ノマ岳…12:30テンバ…13:45大ノマ乗越…16:05小池新道入口…16:35ワサビ平小屋…17:40新穂高温泉駐車場18:15=竜島温泉=22:40静岡着

★GW山行は笠ヶ岳という堀部さんの渋いリクエストにのり初めて残雪期の笠ヶ岳へ。最初は笠新道ピストンの計画を立てたが、山レコで過去の記録を調べると杓子平への抜けと主稜線への抜けに雪庇が発達して、突破が困難な場合があるようだった。たぶん登りは問題ないが、下りで苦労するのではないかと考え、少々距離は長いが体力勝負でなんとかなりそうな大ノマ乗越経由の計画に変更した。

連休谷間の2日午後に静岡を出発。中央道に入るとさすがに車が多かったが渋滞にはまることなく新穂高温泉へ。駐車場のシステムがスマホ予約のクレジット決済でとまどった。

3日、朝6時に林道を歩き始める。明るい陽射しの中に笠ヶ岳が青空高く聳えている。最近歩くのが遅いのかつぎつぎに登山者に追い越される。ワサビ平前後から林道まで押し出したデブリを乗り越えていく。そして雪崩遭難事故のあった小池新道入口へ。捜索の帰路、ヘリでピックアップしてもらった橋の上から現場、そして今日向かう大ノマ乗越を眺めて黙とう。小池新道に入ると岩やブッシュ、残雪が交互に現れて歩きにくい。右手の土手を乗り越えて残雪が続く小沢に降りて上部の雪原に抜ける。途中かなりきわどいスノーブリッジをヒヤヒヤしながら渡る。秩父沢出合をすぎるとようやくスッキリ開けた雪渓となり、振り向けば乗鞍や穂高の頂が顔を出す。快晴の青空からは強烈な陽射しが照り付け残雪に照りかえる。時折出会う登山者たちはみな双六岳方面だった。なんとか昼前に大ノマ乗越へ到着。乗越は狭い雪稜なので一段大ノマ岳方面へ登った適地に幕営。槍穂高連峰の眺望絶佳な素晴らしい幕営地だった。快晴無風で夕焼けの槍穂高連峰が見られると期待したが日没に雲がかかり不発。ところが日没後に満月が登り、月下の槍穂高連峰は絶景だった。夜も無風だったが薄めのシュラフで熟睡とはいかなかった。

4日、3時に起きると満天の星。朝食はオートミール昆布茶味で食べつけない堀部さんには申し訳なかった。テントを出るとすでに明るく、北鎌尾根のかなたがオレンジ色に染まっている。大ノマ岳山頂で日の出。パタゴニアのロゴみたいな景色だ。単独さんのテントがひと張。昨日に笠ヶ岳まで往復したのだろうか、踏み跡が秩父平から秩父岩のコルへと続いている。唯一ルート取りが難しい場所だったので大いに助かる。コルからは一気に標高をあげる。秩父岩上部から抜戸岳への稜線は一か所西側の沢に切れ落ちているところがあったほかは、夏道の出た緩傾斜の西斜面をたどる。抜戸岳手前で本日初の登山者とすれ違う。穴毛谷の第三尾根を登ってきたそうだ。この登山者が下ってきた抜戸岳への登路は左手に張り出した雪庇がいやらしいので、山頂はパスして抜戸岳西斜面をトラバースする。笠新道分岐点までの長~いトラバースは不自然な態勢が続き足が疲れた。ここまでくると笠ヶ岳が立派だ。東側の杓子平、穴毛谷側に雪庇を張り出した雪稜がうねる先にコンモリしたクラゲのカサのような山頂がどっしりと鎮座している。またすれ違った単独さんの話では、笠新道から登ったが大変だった、これから双六岳方面に向かうとのことだった。雪庇のクラックと這松の間をたどってゆく。幸いまだ雪を踏み抜くことはほとんどなかったが、ズボズボだったらかなりシンドイだろう。男女二人の登山者とすれ違う。笠新道から登ったが登り切れず杓子平で幕営したそうだ。閉鎖された笠ヶ岳山荘はパスして山頂へ最後の急登。ようやく祠にたどりついて一息いれ快晴無風の北アルプスの絶景を堪能する。日本海の海岸線さえ見える。ここは電波が届くので各方面に連絡を入れ、少し離れた三角点を踏む。さてここから折り返し。長~い帰路へリスタートだ。抜戸岳まで高低差が少ないだけに往路と同じ時間がかかる。3人パーティーとすれ違う。大ノマ乗越の狭いところに張っていたパーティーだった。先頭の方は右ひじから先がなく左手のピッケル一本で登高していた。すごっ!帰路は抜戸岳のピークを踏み笠ヶ岳に別れをつげる。夏道をアイゼンで歩くと足が痛く雪道になるとホッとする。秩父平までは難なく下り、ここから大ノマ岳まで最後の登り。真昼の陽光に照らされて雪も緩み、体力も搾り取られる。山頂から四囲の山々、特に槍穂高連峰の雄大な眺めを目に刻んでテント場へ下山。さっそく撤収にかかるが、疲労と暑さ、水分不足でフラフラしてしまい動作が緩慢になってしまう。ようやく撤収しアイゼンを再び装着し、なぜか一段と重く感じられるザックを背負う。ここからはクサッた雪渓の下降だから楽勝かと思いきや、長すぎる下降で太ももの付け根が悲鳴をあげる。下部では標記もなくトレースが入り乱れるなか、ついにルートロス!間違った沢沿いに下ってしまい藪漕ぎと登り返しでヒーヒー!やっと正しいルートに戻ったが想定以上に時間と体力をロスしてしまった。小池新道入口でアイゼンを外す。ここからはひたすら林道歩きだ。ワサビ平小屋前の沢で水をガブのみ。時間的にはたった1時間半だが足裏の痛み、肩に食い込む重荷がつらい。昨朝の登りよりよほど楽なはずなのだが最近山の帰り道はいつも辛い。ようやくゴールの新穂高温泉駐車場に到着。振り返れば残照の笠ヶ岳が微笑んでくれた。さあ、あとは温泉だ。

笠ヶ岳に登るのは5回目だった。夏の双六岳からピストン2回、クリヤ谷からのワンデイピストン、笠新道から小池新道へ周回した秋の追悼山行はいずれもあまり展望には恵まれなかった。今回は五月晴れの大展望に目を奪われて足元が危うい場面も頻出するほどだった。たぶん一人では来なかったと思う。堀部さんのリクエストで素晴らしい山行を体験できた。これは山岳会のありがたさだと思う。(記 苫米地)

★笠ヶ岳には、以前夏に4回、槍見の湯槍見館近くの登山口からクリヤ谷経由で笠ヶ岳山荘泊で行ったことはあるのですが、いつか冬かゴールデンウイークの雪のある時に行きたいと思っていたのを思い出し、苫米地さんが私の要望を受け入れていただき、5月3日~4日1泊2日の登山計画となりました。雪庇や雪崩の危険を考慮し、笠新道ではなく、鏡平経由、小池新道経由で大ノマ乗越テント泊で、翌日サブザックの軽い荷物でピストンし、午前9時を期限に登頂できなかったらそこで引き返す計画でアタックする予定でした。計画通り行くかどうかは雪の状態次第とでしたが、予定通り行けました。それは、天気は無風快晴、雪はよく締まり、予定の午前5時前の4:43に出発できたこと、ルートを間違えずスムーズに行けたクライムリーダーの苫米地さんのおかげでした。私一人では無理だったと思います。途中3組のパーティに会いましたが、2組は笠新道から単独行の人は第3尾根からとのこと、「笠新道はきつかった」と言っていました。小池新道でも雪がゆるんで歩きにくかったのできっとより歩きにくかったことが想像できました。雪でテント泊用装備を担いでの登山は久しぶりで、体力不足をいつも痛感します。日頃から鍛える必要を感じます。大ノマ乗越から笠ヶ岳への軽い荷物でのピストンはかなり軽快で、まだ雪も締まっており歩きやすかったと感じました。2日目は合計すると約13時間の行動で最後の林道が一番きつかったです。しかし、きつさを忘れるほど、見晴らし、天気、同行者の恵まれて爽快な思いが残った楽しい山行となりました。同伴いただいた苫米地さんに心より感謝申し上げます。(記 堀部)

5月5日・6日 男体山・日光白根山  鈴木、他1名

■5月5日(金)男体山(2486m)

 二荒山神社駐車場7:00~男体山頂上10:30~駐車場 14:00

 5月6日(土)日光白根山(2578m)

 菅沼登山口6:15~弥陀ヶ池から直登コース~日光白根山 10:15~五色池~弥陀ヶ池~菅沼登山口14:30

★5日 道の駅(塩谷)に前泊、神社で登拝料(1,000)を納め入山、4合目から登山道らしくなりしばらく登ると後方に中禅寺湖が見え始める。頂上では平ヶ岳、会津駒ヶ岳、月山、富士山もみえた。雪もなく多様な年代の登山者で賑わっていた。今日は、日光湯本キャンプ場で泊。周りに日帰り温泉が多くある。テントを張り温泉に入りゆっくりとした。

 6日 登り始めてすぐ雪があり軽アイゼン付けた。樹林帯の中を登り弥陀ヶ池へ、池は半分凍っていた。直登コースで日光白根山へ、急斜面で雪が固まっていて軽アイゼンでは不安な場面があった。五色池経由で下山。弥陀ヶ池からすぐのところで道を直下しすぎ登り返した。登山者も多く気楽なところだろうと思っていたが、3人の登山者に会っただけ。男体山の隣の山なのに違うと思った。多くの登山者が登っていて気楽なところだろうと思っていたが登山者は3人会っただけだった。

5月6日 満観峰・日本坂峠  安陪

★小坂⇒満観峰⇒日本坂峠⇒小坂

小坂の登山口に自転車をデポし、車道を登り始めた。途中地図上登山道の入口に赤テープが目立つ様に貼ってあったので入っていったが、全くの廃道であった。再び車道に戻り、満観峰へ。満観峰から日本坂峠までは、東海道自然歩道のバイパスルートであり、途中に日本一の展望地があった。しかし天気が下り坂のため景色はイマイチであった。

5月10日 愛鷹連峰:大岳  加藤

■自宅5:05=5:35大棚の滝P5:40…6:10須津山荘6:25…7:25806m地点…9:00大岳(1262m)9:15…10:15806m地点…10:50須津山荘…11:20大棚の滝P11:30=12:00自宅

★大棚の滝駐車場を5:40に出発し須津川沿いに歩き須津山荘6:25。植林の中をジグザグに登って806m地点に7:25。自然林の中を登ったり下ったりしながら高度を上げて大岳頂上に9:00到着。木々の間から富士山もまた愛鷹ツツジも、もも色の花を咲かせていました。下山途中3人組にあいましたが、その人たちも「頂上の愛鷹ツツジにあいにきた。」と言っていました。無事下山し大棚の滝駐車場に11:20到着しました。

5月10日 竜頭山  赤石、他1名

★浜松市佐久間町の山。随分前から登りたいと思っていた山だった。天気のよい日を選んで登りに行った。地図には二カ所の登山口があるが今はこの平和(ひらわ)口からの道だけが整備されているようだ。道路脇に一台が駐車してあった。登ると廃村になってから久しいと思われる平和の集落跡に出る。石垣や屋敷の跡は植林になっていて60年以上に成長しているようだ。アオガレと書かれた標識の下部は粘土質の土で、二日前の大雨のため田んぼの中を登るようで踏んだ足がずるずる下がってしまった。ここから少し登ると道は二手、沢筋コースと尾根のコースに別れる。沢筋のコースは中上級者、尾根コースは初心者コースとある。沢筋コースには二カ所の徒渉があると登山記録にあるので一昨日の大雨による増水を心配したが、渉れなければ引き返すつもりで沢筋のコースをとった。幸い水はだいぶ引いていて丸木橋を歩くことができた。トラバースの道を慎重に歩き、徒渉の後は急登に苦労した。緩やかな尾根に上がってからは緑の中を歩き山頂近くの展望台で楽しんだ。山頂近くには電波塔があり林道が延びてきている。下りは尾根筋の道をとった。この山は地形図の登山道は古いようで今の道とは随分離れていた。久しぶりのハードなハイキングになった。山頂近くまで植林地だったがよく手入れされていて明るく、気持ちよく歩けた。1352mと低い山だが登る標高差は1200mを越える。一回り約8時間だった。登山者に一人会った。

5月10日 北アルプス:乗鞍岳(山スキー) 苫米地、小野田、田島

■静岡4:30=車=7:40三本滝8:45=バス=9:05位ヶ原山荘9:30…12:32蚕玉岳…12:45剣ヶ峰山頂12:55…13:00蚕玉岳のコル13:57→滑降→14:34位ヶ原山荘15:24=バス=15:46三本滝=湯けむり館=20:30静岡

 先日の至仏山に田島さんが行けなかったこともあり、今シーズンの滑り納めに乗鞍岳に出かけた。三本滝からのバス始発が8:45と遅いので日帰りプランとした。中部縦貫道のおかげで三本滝まで3時間半弱、駐車場には先客が数台というところ。天気は快晴、残雪の乗鞍岳を背景に新緑が映える。2台のバスがやってきて1人で2シート使えるほどゆとりがあった。位ヶ原山荘でトイレを済ませてイザ出発。摩利支天方面に登りかけて途中で左手の位ヶ原へトラバース。少し出遅れてしまった。位ヶ原へ出ると快晴だが風が冷たい。もう蚕玉岳近くまで歩いている集団は位ヶ原山荘泊りだろうか。大雪渓避難小屋で一服し肩へ向かう。朝日岳、蚕玉岳のコルに続くバーンに入るところでスキーを背負いアイゼンに履き替えたが、小野田さん、田島さんはそのままシール登高を続けた。シールの効き具合に神経を使うのは精神的に負担を感じてしまうので、潜らない雪ならアイゼンでガシガシ登る方が好きだ。蚕玉岳山頂直下は急登で齢を重ねるにつれてシンドクなる。コルにスキーをデポしてひと休み。先行者たちのドロップを見学させてもらう。テレマーカーが何度も転んでいる。見た目より雪が重いのかもしれない。でも転んでも滑落せずに止まっているので安心だ。13:24位ヶ原山荘発のバスに乗るため、12:30で行動打ち切りの予定だったが、せっかくの好天で雪質も悪くなさそうなので15:24発の終バスに乗ることにし、剣ヶ峰山頂を往復。火口湖の権現池は残雪に水が浮かんでいるようでトルコ石のような美しさだ。その形状からドラゴンアイと言うらしい。蚕玉岳のコルへ戻り小野田さん、田島さんと合流。お二人の山頂ピストンをまち、いよいよドロップ。まず田島さんが先陣を切り、下からカメラを構えるところを小野田さん、苫米地の順にドロップ。重ザラメの下がけっこう固い雪で、注意しないとザラメに足を取られる。上部は傾斜が急なので思わず後傾になり今度は堅雪で流される。一つ一つ確実にターンを決めて高度を下げてゆく。下るにつれて堅雪はなくなるが雪の重さは増す。まっすぐ下ると這松帯で行き止まりになってしまうので、左へ左へとトラバースして往路に戻る。緩傾斜帯をボーゲン混じりで通過すればもう位ヶ原の淵から山荘は指呼の間だ。最後の壁を滑りおり岳樺の疎林を抜けるともう位ヶ原山荘だ。苦労して登ったわりにはわずか30分強の滑りだった。最終バスまで時間があり、山荘でホットミルクを飲みながら下山報告。最終バスは1台だったが余裕で座れた。三本滝駐車場には3、4台しか車はなかった。鈴蘭高原にある湯けむり館で入湯。白骨温泉の源泉から引いている硫黄泉で気持ちがよい。浴後、肌がサラッとする感じで爽やかだ。学生時代にお世話になった合宿所に行ってみると、建物は残っていたが違う施設になっていた。残照の乗鞍岳を後に帰路についた。今回は初めて山頂近くから滑降できた。経験豊富な田島さんのおかげである。小野田さんには飯縄山、至仏山、乗鞍岳と、今シーズン3回の山スキーをご一緒させていただいた。今シーズンは天候、メンバーに恵まれたが、残雪が異常に少なかった。来シーズンはぜひ豊富な残雪を期待したい。(記 苫米地)

★朝快晴。真っ青な空の下に白い乗鞍岳が輝いていた。三本滝に駐車。スキー場に雪は皆無。位ヶ原山荘までバスで移動し、近くの橋を渡って少し先から山に入った。木は疎らにあるだけで明るく広く緩やかな雪原を快適に登っていった。上に行くと大変になるからと低い位置で南にトラバース。進み始めてすぐ左のスキーが少しずり落ちた。とても滑り易い雪だ。高い所はもっと斜度がきついので難しくなる。苫米地さんが言った意味が分かった。田島さんは更に上に登っていった。私は緊張しながらトラバースを続け苫米地さんを追った。トラバース後は安心して登りに入った。田島さんの姿がない。途中に這松がありその後ろは見えなかった。田島さんは滑落してスキーが外れたそうだ。上に進み赤布付きの細竹の並び沿いに登った。這松の左側を通り少し下ると平な所に。そこでは風が吹いていて急に寒くなり合羽を着た。右に行くと肩の小屋口バス停の小屋があり少し休憩。暫く登った所で苫米地さんだけスキーを担ぎアイゼン装着。そして大分遅れて出たのに私達を追い越し軽快に登って行き稜線に消えた。上部には所々ガレ場が出ていた。2850m辺りから急斜面になり私はジグザグ登行にしたが振り返ると田島さんは直登していてびっくり。クトーを着けていたそうだ。成程。登りは12:30までとの予定だが12:50になってもまだ稜線にたどり着かないので苫米地さんに電話すると既に頂上に居た。コルまで来るようにと言われ登り続けた。今回は1人ではなく田島さんが一緒なのであまり不安ではなく良かった。コルで3人合流。風が吹いて寒い。最終バスまで時間があるから頂上に登るよう勧められ、アイゼン無しでそのまま急いで向かった。頂上は岩が出ていて歩き難い。素晴らしい展望。社の裏側に出ると白雪の中に美しい乳青色の権現池があった。この時期1週間程だけ見られるドラゴンアイと呼ばれている状態だそうだ。丁度良い時に来てラッキーだった。もっと見ていたかったがコルでリーダーが冷風にさらされているし、スキー滑降もどうなるか分からないのですぐ下山。コルからの上りは東の雪上を歩いたが下りはやや近道になる乾いた西の岩道に。こちらはスキー靴では非常に歩き難く緊張した。コルの滑り出し部分は急斜面で非常に怖かったが苫米地さんの「転んでも止まるから大丈夫」との言葉を頭で繰り返し、踏み出したら意外に安定して転ばずに斜面に出られ難関突破。その後はいつものようにゆっくり滑った。やはり腿が痛くなるので何度も休みながらで、後ろから来て下さる田島さんには申し訳なかった。他の登山者は既に下山し広い雪原に私達の姿しかなかった。上は白い雪面の広がり、下には這松の緑と雪とできれいな模様ができていて、この時期の美しさを楽しめた。私にも滑れる状態の雪で登りも下りもこの大きな山での山スキーを堪能でき、思い出に残る豊かな1日となった。参加させて頂き本当に嬉しかった。お二人に感謝。(記 小野田)

★快晴の乗鞍岳で春スキーを楽しみました。雪はザラメで少し重めでした。4年ぶりの乗鞍。3000m峰も4年ぶりで息が切れて大汗をかきましたが楽しいスキーでした。天候は快晴でしたが頂上では風が強い。コース状況はザラメ雪でスリップしやすくトラバースでは注意。雪崩の心配はなし。下山後「湯けむり館」で入浴(730円)。白濁したいいお湯でした。三本滝駐車場は平日なのでガラガラ。駐車場までの道路もドライで問題なし。(山レコ投稿記録より 田島)